ストレスのない、ほがらか介護術【1】
介護が必要になったとき、介護保険のサービスを受けられると本人やご家族はかなり楽になります。もちろん体の弱った方なら誰でも受けられるというわけではなく、各役所に申請して介護認定を受けなければなりません。その人に介護サービスが必要か否かを専門的にチェックするのです。
これはまず調査員が訪問して聞き取り調査を行い(1次判定)、次に主治医などに意見を出してもらいます(2次判定)。最後に「介護認定審査会」で審査判定するのですが、それでもまだ不公平感がぬぐえていないのが現状です。
【基本手順】
申請書の提出 各役所の福祉保険サービス課の窓口で要介護認定を申請する。居宅介護支援事業者のケアマネジャーなどに依頼すると代行してくれる。
※この時点で頼むとあとが楽です。
一次判定(訪問調査) 調査員が訪問し、本人の心身の状態や日常生活の自立度を調査。
介護サービスを頼むにはいくつかの手順を踏むので、とても面倒な気がしますが、一番最初の申請書を出す段階で、地域包括支援センターや一部の居宅介護支援事業者に依頼するとほとんど全部、手続きを代行してくれるので楽です。もちろん無料なので安心して依頼しましょう。
このあと重要なのが、実際に対処してくれる「ケアマネジャー(以下ケアマネ)の質」です。ケアマネの仕事は介護のマネージメントで、日常生活や心身の状態を見て介護プランを立てたり、介護生活におけるアドバイスなどをすることです。
いわば生活を外から支えてくれるパートナーですから、ケアマネの選び方次第で今後の暮らしが楽になるか、逆にストレスになるかの明暗が決まるといっても過言ではありません。
悲しいことですが、近頃は不況も手伝ってか、誰もが「資格さえ取っておけば…」という考えでホームヘルパーや介護福祉士、ケアマネジャーの資格を取る傾向が高まっています。介護職の人員が増えることはいいのですが、逆に安易にこの職業を選ぶ人がいるため、質の低下が顕著にみられます。
ですから、介護に関する専門知識が豊富で説明が丁寧だったり、親身になってくれること、フットワークが軽くいつでも飛んできてくれるなど、基本的なところがきちんとしている良質のケアマネを探すことが大切です。
1)ケアプラン作成に慣れているか 市区町村には、ケアマネが所属する居宅介護支援事業者や在宅介護支援センターなどのリストがあります。そこから選ぶのですが、在宅介護の実績がある業者を選ぶと間違いありません。良いケアプランを立てるには何事も経験なのです。
2)知識と柔軟性があるか サービスが始まったあとも定期的に訪問してくれたり、まめに電話などで様子を訪ねるなどの姿勢がある方。また病状や体調の変化に合わせて、プランの作り直しを柔軟に行うほか、杖や靴などの補助具や、住宅改修などに詳しい人を手放しては損です。
3)利用者の話をよく聞くか ケアプランは最初、プラン作成ソフトで作ります。それも利用者の現状を維持するのが基本的目的です。このとき杖なしで歩けるようになりたい、などの一歩進んだ目標や希望を出せば、リハビリを組み込むなど、ケアマネが独自に希望に沿ったプランを考えてくれます。いかに個人のQOLを守ってくれるかも重要な点です。
4)所属事業者の営業に固執しない ケアプランを考えるとき、自分が所属している会社や事業所の持つサービスにこだわっていないか。これには複数の事業者にプランを頼んで比較検討してもいいでしょう。
5)フットワークが軽い 何かあったときすぐ飛んできてくれるのは心強いもの。苦情などにも素早く対応し、話やグチをよく聞いてくれること。親身になってくれる、人柄の良い方は良いプランを作ります。
ただし、ここで困るのは実際に担当になったケアマネと話をしてみないと、善し悪しが分からないことです。どのくらい親切か、説明が丁寧で高齢者の疾病や担当となる利用者の状態を専門的な視野で判断しているかは、会ってみないと分かりません。
でもご安心下さい。もしも、この人ではダメだと思ったり、相性が合わない(これも重要なことです)と感じたときは、ケアマネを変更してもらうことができるのです。
知識の少ない人にプラン作成してもらっても、あなたの暮らしのサポートにはなりません。自分や家族のためですからここは我慢する必要はありません。ケアマネを変えるときは、その事業者に変更を依頼するか、事業者ごと変えるかのどちらでも可能です。
ただし、まず最初に新しいケアマネを探し、受け入れ可能か打診することが大事。ケアマネの少ない土地の場合、次の方が見つからないこともあります。今の方を先に断ってしまうとサービスを受けられなくなりますから、先に次のケアマネを探しておくべきですね。もちろん断るときは、気持ちを害さないように、しかしはっきりと理由を説明することが重要です。
※次回は「認定調査の賢い受け方」などをご紹介します。
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